宇都宮駅「宮の釜めし」

新幹線で東京へ50分。仙台へは1時間10分。
在来線でも、普通列車で上野まで1時間50分あまり。
こうして見ると駅弁を売るには、ちょっと難しい位置である宇都宮駅です。
その宇都宮駅で、130年以上も前の明治26年から頑張っている駅弁屋さんが松廼家。
以前は3社が駅弁を競っていた駅ですが、いま残るのは松廼家だけ。

ちなみに、下記に宇都宮駅全盛時の時刻表の一部をご紹介いたします。
昭和53年10月ですが、特急・急行が怒濤のように発着し、長距離移動の給食の大きな役割を駅弁が担っていた時代です。

赤矢印が宇都宮

さて、今日ご紹介するのは「宮の釜めし」。
たぶん多くの方が「宮」ってなんだろう?と思われると思います。
「宮」とは、地元で宇都宮を指す言葉として使われているもので、「宮」=「宇都宮」。
つまり「宮の釜めし」は「宇都宮の釜めし」を略して商品名としたもの。

他にも、例えば「ステーキ宮」というステーキチェーン店がありますが、この「宮」も「宇都宮」の「宮」です。
同店発祥の地である「宇都宮」からの命名だそうです。

掛紙は、低コスト製品らしく見栄えはよくなく、印刷全体がボヤッと、眠たい印象を持ちます。
挿図は日光東照宮陽明門ですが、掛紙としてはちょっと面白みに欠ける気が・・・。

掛紙で若干落ちたテンションを上げるべく、蓋を開けるとこのような感じ。
「ん?以前と比べると御菜が減ったような・・・」
と思ったのですが、持ち運んでいる間に盛り付けが寄ってしまったようです。

松廼家と言えば「鶏めし」が定番ですが、鶏と松廼家は切っても切れない縁と言わんばかりに、釜めしにも「いっこく野洲どり」が、一切れちゃんと入っています。
また、栃木の特産品として常に上位に顔を出す干瓢は煮物に。
そして蓮根、筍、フキ、椎茸、ふきのとうの煮物、蒲鉾に錦糸卵、甘栗、海老の揚物。
ご飯は薄い茶飯。

献立の組方、盛り付けた時の見栄え共に全体的な印象は地味。
味付けも、若い人よりも年齢高めな人向けな印象を持ちます。

釜めしと言うのは、駅弁にしろ市中の釜めし屋にしろ、アツアツ感は抜きにしても、目の前で蓋を開けた時に、あの円形の器の中で表現される独特の世界感があると思うのですが、それが感じられないのが残念ではあります。
栃木には湯葉や里芋、ニジマスなど沢山の名産品があるので、もしリニューアルされる時があれば、老舗の駅弁屋の釜めしとして、新たな方向性を期待したい駅弁です。