松本駅弁「大糸線の旅」と篠ノ井線旧線

信州、松本駅。
市のキャッチフレーズは「文化香るアルプスの城下町」なのですが、ここがJRでは東京近郊区間であることに、驚かれる方も多いと思います。
日本アルプスへの玄関口、しかも信州で「東京近郊」と言われても・・・。

そんな松本駅で、良い駅弁が売られているのを皆さんはご存知でしょうか?
松本駅と言えば、大正9年(1920)から駅弁販売を行っているイイダヤ軒ですが、そこで調整されている「大糸線の旅」は、極めて好感度が高い駅弁。

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ご覧のように、一目で「信州=山の恵み」を感じることができる「山の駅弁」です。
お品書きを記せば、
■紫ご飯(米:松川産、紫米:白馬産)
■信州米豚肉肩ロース味噌(松川産)焼
■大根と人参の煮物
■玉子焼
■白滝の味噌(松川産)煮
■松川産黒豆煮
■松川産椎茸のうま煮
■醤油豆油揚げ巻(信州産)
■漬物三種

産地を見ればわかるように、ズラリと並んだ地元食材の多さに驚かされます。
もともと駅弁は地産地消を基本としていたのが、最近の食材事情でそれが崩れ去っているのが現状ですが、「大糸線の旅」では、それを見事に覆し駅弁本来の姿に戻すことに成功しています。

使われている食材で松川村産が多く使われているのが目に付きますが、松川村(最寄り駅:大糸線信濃松川駅)は男性長寿日本一の村だそうで、こんな所にも「大糸線の旅」の拘りを見ることが出来ます。

「大糸線の旅」を味わいに松本まで来られた鉄道ファン、駅弁ファンの方にオススメしたいのが、お手軽に廃線ウォークを満喫できる篠ノ井線旧線。
松本駅から篠ノ井線で長野方面へ2駅14分で着く明科駅が起点になります。
この旧線は昭和63年(1988)9月10日に、現在の新線に切り替わるまで使われていた明治時代以来の線路跡で、程よく整備された現在では、沿線に住まわれている方達のジョギングやウォーキングコース、犬の散歩道などにも利用されています。

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画像5 左上:架線柱と距離標、左下:踏切跡、右:信号機

画像6 明治時代に造られた暗渠

画像7:漆久保トンネル

夏は草が生茂るので遺構が見難くなりますし、そもそも暑くて廃線歩きには向きません。
その点、雪が解けた頃から5月までと、秋は気候が良いので、新緑あるいは紅葉の中で自然を満喫できます。
ついでに、松本駅で買った「大糸線の旅」を持ち込んで、気に入った場所で食べるのも素晴らしいと思います。
信州の自然の中で、信州の食材をふんだんに使った駅弁を食べるなんて、贅沢だと思いませんか?

(※廃線跡の写真は5月中頃の様子です)