東華軒・夏日向

東海道本線小田原駅の老舗駅弁屋さん東華軒が、夏季限定商品として売り出したのが「夏日向」。
商品名からして夏そのもので、どことなく文学的。
そして雲のかかった夏空に、夏の花として朝顔と二分する向日葵を描き、江戸風鈴を添えるという、夏の暑さの中に一風の涼しさを感じることができる掛紙です。
実は選ぶ時に、内容よりもこの夏らしい掛紙に惹かれて買いました。

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パッと蓋を開けると、小さな御菜が所狭しと並び、それが彩りも良く、華やかな感じが印象的です。

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中身は八角形の折り箱が四分割されており、ご飯物はその内の一画のみ。
鰻まぶしご飯なのですが、鰻の身が厚かったのが良い意味での意外でした。
タレ無しの白ご飯ですが、これはこれで中々の美味。

その隣り(画像では左下)の区画には、小鮎の竜田揚げが2匹。
これは美味い!
ちょっと硬いのですが、噛むと腸のほろ苦さが口の中に広がり、良い味を出しています。
「夏日向」の中では一番の御菜でしょう。
そして、もう一品の揚物はトウモロコシの天麩羅。
ポロポロとこぼれ落ちるので食べ難いのですが、トウモロコシその物の甘味と天麩羅の味がミックスして、意外な組み合わせで、そして意外と美味しく「へー、こういうのもアリだな」と初体験の味。

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左上の区画に入っている星形ハンバーグは、ちょっとチープな感じが拭えません。
もう少し挽き肉の食感があった方が、安っぽすぎず良いと思いますが・・・。
そのハンバーグの下に隠れているのが、焼きそば。
なぜ、焼きそばなのでしょう?
これはちょっと「夏日向」のイメージに合わないかも・・・。

そして最後の右上の区画は、茄子の煮物と冬瓜のそぼろあん掛け。
夏野菜のイメージで、見た目も涼しげです。
そして最後にデザートが用意されており、寒天と若桃のシロップ漬け。
煮物を別にすると、油物系の御菜が多いので、最後のデザートでサッパリと。
そうした意味で、口直しのデザートには合いますし、見た目も暑さの中にちょっとした涼しさが用意されています。

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「夏日向」。
全体的なイメージは良いのですが、ちょっと分量的には物足りなさが残ります。
それは、たぶんご飯の量が少ないからでしょう。
東華軒のホームページで確認すると、カロリーが「487kcal」と出ていました。
まぁ、このカロリーでは男性は物足りなさを感じるはずですが、女性には良いのかも知れません。

お値段は1300円で、販売期間は2023年7月11日〜8月31日。