今年は、京王百貨店新宿店開店60周年の記念大会に位置付けられていましたが、特にそれらしい演出もなく、いつも通りに淡々と会期が進み、そして終わったというのが実感。
ちなみに来年は、駅弁大会60回目の年になるので、人間なら還暦です。
輸送駅弁では、特に大きなメガヒット商品はありませんでしたが、その分チラシの影響が大きく左右していたように思われます。
また、例年でしたらテレビ番組の紹介が商品の流れに大きな影響を及ぼすのですが、今年はそのような影響も無く、売り場で見ていると何とも不思議な17日間という印象が残りました。
それでは、今年気になった輸送駅弁から幾つかをご紹介いたしましょう。
ただし、ご紹介する商品と順番は特に意味はなく、販売実績を反映したものではないことを予めご了解ください。
「母恋めし」
室蘭本線の小さな駅。
母恋駅。
そこで販売されているのが「母恋めし」ですが、鉄道好き、旅行好きでない限りはなかなか「ぼこい」とは読めないようで、会場で「ははこいめし」とよく尋ねられたのがこの駅弁。
易しい漢字ではありますが、読みとなると意外と難読駅なのかも知れないと感じたしだいです。
1週目のチラシ掲載商品でしたが、弁当の性格上からあまり見栄えのしない駅弁なのですが、人気の程はそれとは全く関係なく、会場内で販売場所を聞かれたナンバーワン駅弁であったことに間違いはありません。
「ぶりかまめし」
富山駅の源が、冬季限定駅弁として販売するのが「ぶりかまめし」。
例年だと実演販売なのですが、今年は輸送駅弁扱いということで、お客様から「なんで実演販売じゃないのよ!」という苦情(?)がチラホラ。
たぶん、出来たてを食べたいということのあらわれだと思いますが、駅弁なのでこちらが本筋。
駅弁業界に携わっていると「ぶりかまめし」は「ぶりかまを御菜にした弁当」としか思いませんが、初めてのお客様の中には「ぶり釜飯」と理解される方も・・・。
会期中に仕入れを大幅に増やした人気商品となりました。
「牛ハラミ・牛カルビ・牛タン焼肉三昧」
2週目のチラシに「初登場」として案内された鹿児島駅や博多駅で販売する松栄軒の「牛ハラミ・牛カルビ・牛タン焼肉三昧」。
チラシに掲載が無かった1週目は全くの苦戦状態で午後まで残っていたのですが、2週目のチラシが配布された途端に、お客様が殺到。
開店2分で完売の日もあり、開店から10分を経過して残る日はありませんでした。
中には3日連続で買えなかったお客様もいらっしゃり、多くのお客様から売切れに対するお叱りをいただくことに・・・。
実は、販売する側として最もつらいのが、開店の早い時間から完売のご案内をすることなのです。
「JR貨物コンテナ弁当京都の鶏めし編」
一昨年のグリーン、昨年の紫に続いて、今年の色はブルー。
それぞれ弁当の内容も異なるのですが、第三弾ともなると、ちょっと飽きられてきた感じが垣間見られ、動きが非常に鈍かったのが正直なところ。
初代グリーンは、入手難どころかヤフオク等による高額転売まで見られましたが、今年は夕方でも購入可能な状態で、これが本来の駅弁の姿としては普通だと言えます。
番外編「日本縦断コラボ」
これは輸送駅弁ではなく実演販売でしたが、初の試みとしてのご紹介です。
この弁当は、地方別ごとに4ヶ所の駅弁が1つの弁当として味わえる仕掛けになっている企画で、弁当箱を四つに区切り、そこに調整業者が異なるミニ弁当をセッティングするというもの。
九州、中部、北陸が1週目で、関西・中国、東北・関東、北海道が2週目でした。
例えば画像は「北海道編」ですが、小樽駅「海の輝き」、函館駅「鰊みがき弁当」、旭川駅「蝦夷わっぱ(ミックス)」、釧路駅「いわしのほっかぶり寿司」がセットになっており、早い話が「4種が楽しめる駅弁お試しセット」。
駅弁を楽しむ催事としては、このような企画もアリだと思います。
50〜200食(地方別に異なる)の限定販売でしたが、長い行列が出来て連日完売の人気商品であったことを記しておきます。