大分豊後 山海三昧

毎年の駅弁大会で、爆発的な売れ行きにはならないものの、コンスタントに売れるイメージが強い大分駅「山海三昧」。


ところが、今年の京王百貨店では様子が違い、早い時間帯で完売の日も。
「なにかおかしいなぁ・・・」と思っていたら、テレビの情報番組で紹介されたとか。
その影響で、

お客様:「由布院駅の駅弁よ!」
私  :「由布院駅というのはありませんが、大分駅ならございますが?」
お客様:「なに言ってるの!湯布院!」
私  :「湯布院駅は駅弁の取扱いはなく、こちらの大分のものだと思いますが・・・」
お客様:「ゆ・ふ・い・ん!!テレビで湯布院駅って言ってたわよ!あなた勉強不足じゃないの!」
とか、

お客様:「湯布院の牛のお寿司ある?」
私  :「大分駅の湯布院牛を使った握り寿司だと思いますが、本日分は完売でございます」
お客様:「ちょっとねぇ、テレビで紹介してたのに完売ってどういうこと?」
私  :「輸送駅弁なので納入数に限りがございますので、申し訳ございません」
お客様:「テレビに出てたのに、完売なんて有り得ないでしょ。どういう商売してるのよ!いつでも買えるようにしときなさい!!」
などなど、テレビ効果で様々な方が「山海三昧」を求めていらっしゃいました。

「山海三昧」は、箱の中を三区画に区切り、一番上に御菜、二と三番目の区画に握り寿司を詰め合わせたもの。
御菜は、卵焼、鶏肉団子、鱈フライ、酢蓮根に野菜の天ぷら。
寿司がメインなので、御菜的には不足感はありません。


二段目の握りは、写真右から椎茸、エビ、焼鯖、鯛。
そして三段目には牛の握りが3個と鶏天握りが1個。
海の幸は、大分と愛媛の間に位置する豊予海峡で漁獲され、佐賀関に水揚げされる魚をイメージしたもので、特に鯖は「関鯖」と呼ばれる高級魚です。
シャリは、感心するほどに純白で綺麗な大分米を使っているのですが、食感的にはちょっと粘り気が強く、その分ネタが負けてしまっている気がします。
酢飯は甘め。

牛の握りは湯布院牛の炙りですが、パッケージに「湯布院牛が希少なので、味、品質に変わりがない豊後牛を使用する時もあります」という主旨の断り書きが書かれています。
こう書かれてしまうと、確率的にはどの程度で湯布院牛に当るのか、気になってしまうのが人間というもの。
ですが、食べてその区別がつくわけではありません。

その炙り牛握りですが、写真を見ればわかるように、個人的にはちょっと炙りすぎのように感じます。
食べても、ボソボソ感が気になるので、もう少しレアと言うかミディアムな炙り加減の方が、食感もよくなりますし、牛の旨みをもっと引き出せるのではないかと。

駅弁好きの間でも、特に名が通っているわけではありませんが、オリジナリティが高い内容を持った駅弁です。
出会う機会も少ないので、見かけたら試しに食してみる価値は大きく、オススメできる駅弁の一つ。