崎陽軒・松花堂弁当〜穴子ごはん〜

先日、所要で出かけた帰りの電車の中で家内が「帰ってから夕飯作るの面倒いなぁ〜」と。
いつもだったら「外で食べて帰る?」となるところですが、さすがに時期が時期だけに決まったのがデパ地下弁当を買って帰ること。

デパ地下にはいつも感心するのですが、もうホント「どうしよう?」と思うほど、高級料亭の弁当から普通の弁当屋さんのものまで「これでもか!」というほど、いろいろな弁当が並んでいます。
そのような中で、家内が選んだのがなんと崎陽軒。
まさかの駅弁という展開。
なだ万や赤坂有職とか選ぶと思った・・・。
崎陽軒を選んだ理由は簡単で、家内の大好物「穴子」が入っているから。

弁当の名前は「松花堂弁当 穴子ごはん」。
水色をベースに、向日葵や朝顔を取り入れた掛紙のデザインが夏らしく、掛紙が商品のイメージを高めるのにバツグンの効果を発揮しています。
それもそのはずで、発売期間も6月16日〜8月31日という夏真っ盛りの間のみ。
この辺の演出は、実にウマイ。

ワクワクしながら蓋を開けて感心したのは、御菜入れの部分がきちんと十字に仕切られ、松花堂弁当としての様式が整っていたこと。
世の中に「松花堂弁当」と名乗るものは数多くあれど、意外と基本形から外れているのが多いのです。
駅弁でありながら、このアレンジは立派。

さてさて中身ですが、第一印象として飛び込んでくる、どことなく涼しげな色味が良いですね。
たぶん、駅弁に付き物の揚げ物系が入っていないところに、その影響が大きいのではないでしょうか。
お品書きは以下のとおり。

御飯 穴子ごはん
   茶飯
   一本煮穴子
焼物 厚焼き玉子
煮物 姫こうや煮
   椎茸煮
   蓮根白煮
   人参煮
   南瓜煮
蒸物 昔ながらのシウマイ
   とうもろこしの蒸し団子
和物 なすと鶏の梅あんかけ
   彩り豆のごま和え
香物 キャベツの浅漬け
甘味 紫芋あんの水まんじゅう

幕の内弁当と比べると、ご飯がちょっと少なめですが、これは穴子とのバランスの問題もありましょうし、松花堂弁当としてのスタイルの問題でもあります。
穴子は、ご覧の通り見栄えも良く一本を丸ごと使用していますが、そのため小さめのものなので厚みが無く、ちょっとペラい感じは否めません。
まぁ、あくまで松花堂弁当ということで、穴子メインの弁当ではないので、食べる側としても許容範囲かと。
穴子が目的なら、穴子に特化した弁当を選ぶべきと思います。

崎陽軒伝統のシュウマイは別にすると、全体的にあっさりとした薄味。
最後のデザートの「水まんじゅう」が嬉しいですね。駅弁と言えども、こうした食事というスタイルへのこだわりは、大切にしたいもの。

松花堂弁当なので、ガッツリと食べる若い方には物足りないと思いますが、年齢が高め、あるいは女性には味、量ともに満足いただける駅弁だと思います。