東海道本線豊橋駅。
新幹線「のぞみ」はもちろん通過。
「ひかり」が一日数本停車する他は、「こだま」のみが停車ということで、旅行者にはちょっと利用しづらい駅であることに間違いはありません。
筆者もなかなか降りることが無い駅なのですが、豊橋駅から出ている飯田線に乗るために、ほぼ10年ぶりに下車。
お目当ては、JR東海が運行しているイベント列車「飯田線秘境駅号」への乗車です。
「飯田線秘境駅号」は、豊橋駅を9時50分発に発車し、終着の飯田駅には15時30分の到着ですから、昼飯を準備して乗らないといけません。
そこで豊橋と言えば、明治22年から構内営業を行っている壺屋さんの駅弁。
在来線のコンコース売店に行くと、いったい誰が買うのかと思うくらい多種類の駅弁が並んでいます。
壺屋さんと言えば、迷わず超有名な「稲荷寿し」ですが、今回選んだのは、せっかくの機会なので目先を変えて「手筒花火弁当」。
これも、以前から気になっていた駅弁です。
旅の友の相方は、「飯田線秘境駅オリジナル弁当」を選んでいました。
さて、「手筒花火弁当」はズシリと重たい二段重ね。
お値段1130円は、この重さから納得です。
二段折詰めに掛紙を掛け、太い紐で手にぶら下げやすいように輪を作って結んであるところが、いい味わいを出しています。
車内で弁当を広げると、こんな感じ。
一の重
おかずとデザート。
煮物、焼物、つくね、揚物など一般的な構成の中に、ちくわが一切れ。
ちくわは、江戸時代から続く豊橋の名産品。以前には、ちくわをメインのおかずにした駅弁「ちくわ弁当」も販売していたほどです。
デザートには、桜の季節だったので道明寺が入っていました。道明寺は関西系の桜餅なので、豊橋は関西風が若干入る土地柄なのかも知れません。
二の重
一の重を外せば、「おぉ、なるほど!」文字通り花火です。
これは、アイディアと見栄えの勝利。
数多くの駅弁の中でも、こうした演出にはなかなか出会えません。
具材の彩りもよろしく、花火の華やかさを海苔巻で見事に再現していますね。
中心に太巻きで、周囲の細巻きは各色2個ずつ。それが対角線上に並んだ配列が憎い並べ方。
これが、同じ色同士で2個並んでしまうと、途端につまらなくなりますから、この並べ方も考え抜かれた並べ方になっています。
実際に食してみるとボリューム感が大きく、男性なら満足できる量で、女性にはちょっと多いかも知れません。
食後の道明寺が、シメにいい感じです。