2020年駅弁大会復刻掛紙

井筒屋
米原駅 御弁当
米原駅は、明治22年(1889)に東海道本線の関ヶ原駅から馬場駅(現在の膳所駅)間と、北陸本線の長浜駅から米原駅間が開業したことにより設置されました。
井筒屋は、当初は駅前で旅館を営業していましたが、明治30年頃に3名共同で構内営業を始めています。
今回の復刻掛紙は、明治末〜大正3年頃に使用された貴重なもの。
図案は、鉄道路線図を中心として湖東地方の観光地を絵図風に紹介したものですが、注目して欲しいのが東海道本線の東行きが「新橋方面行」と表示されているところ。
今なら「東京方面」となりますが、この掛紙が使われた頃は東京駅が出来る前だったので「新橋」と書かれているわけです。
ちなみに東京駅の開業は大正3年(1914)12月20日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一文字屋
松江駅 上等御弁当
山陰本線松江駅の開業は、明治41年(1908)11月8日。
一文字屋は、松江駅前に土地を有していたことから、鉄道開通と同時に西部鉄道管理局長の承認を得て構内営業を開始し、当初より弁当の販売を行っていました。当時の扱い品目は、その他に湯茶、酒類、煙草、菓子、果物、清涼飲料がありました。
復刻掛紙に使用したものは、上等弁当の値段が40銭時代なので、昭和8年から11年の間に使用されたものであることがわかります。
当時は、戦前で最も豊かな時代だったので人々の間では旅行が盛んに行われていました。掛紙の図案もそのことを反映しており、画面いっぱいに宍道湖を描き、上部には松江城を配しています。また、駅からの距離を示した観光一覧を記しています。